暑い...むしむしする...すべてがダルぃ(グダァ)
言葉にしないで。余計に鬱陶しく感じるから
え~だってさぁ。というか今年の天気頭おかしいよね?
台風くるの早すぎるし
30℃超えを記録するのも早かったわねぇ
もう夏対策始めないと
どうせ家から出ないんだし日焼け止めとかいらないでしょう
それとも冷やし中華でも始めるのかしら?
いやあれは夏メニューであって対策じゃないでしょう
フランがマジレス...せっかく振ったんだからノリなさいよ
不快指数クライマックスでそんな元気でないよ
それじゃあこれでキンキンに冷やしてみる?
何それ!?
Thermalrightから新発売の液体金属「SILVER KING」よ
おぉぉお!銀王とか名前がイケメン。クマメタルより冷えるかな?
急に元気になったわねw
どう?遊んでみる?
やる!やるぅう!
ついでに殻割 + 液体金属で1年半以上使ったCore i7 8700Kの中がどうなってるのかもチェックしてみましょうか
検証たーいむ!
うー☆
こんばんワ。暑くなると会社は冷房ガンガンで逆に寒くて毛布にくるまって仕事するみかんです(ㆁᴗㆁ✿)
今回は2019年6月25日に発売されたThermalrightさんの液体金属「SILVER KING」の冷却力をチェックしていきます!
液体金属って?
この記事を読みに来てくださる自作erの方々には、もはや説明不要でしょうけど、とりあえず蘊蓄させてください(*´꒳`*)
(上のINDEXからジャンプできるので必要に応じて読み飛ばしてネ)
かなり昔のIntel CPUは、コアとヒートスプレッダ間の熱伝導材:TIM(Thermal Interface Material)としてソルダリング(半田付け)されてたんだけど、世代改良によってリーク電流が下がり熱処理が楽になってきたのでIvy Brdige世代からシリコングリスが採用されるようになりました。(Skylake-Xを除くハイエンドシリーズではソルダリングが継続されてた)
定格使用ではグリスで十分だけど、OCを楽しむ自作erにとっては熱伝導率の低いグリスではクロック限界が下がるため不評でした。
そこでヒートスプレッダを一度剥し(殻割り)、シリコングリスの代わりに非常に熱伝導率の高いCool Laboratoryさんの「LIQUID PRO」通称リキプロという液体金属を塗ることでOC時の温度を格段に下げることができ話題となりました。
当時は殻割り専用器なんてなかったのでハイリスクすぎてカジュアルOCerには殻割SUGEEEの羨望でしたが、今ではRockit Coolさんなどから専用器が登場したので誰でもお手軽に割れるようになりました。
話を液体金属に戻すと、名の通り液状の金属でシリコングリスよりも粘度は低くサラッサラです。
素材はガリウム、インディウム、スズが混合されたもので、沸点2000℃以上と非常に高く、CPUがどんなに発熱したとしても揮発することはまずないので、シリコングリスのような経年による乾燥状態にはなりません。
ただし、ガリウムがアルミニウムを浸食して脆化させしてしまうので、CPUと接触する部分がアルミ製のクーラーには使えません。
また、サラサラな性質状、ケースに取り付けた際マザーボードが垂直になることで液ダレしやすいので、ヒートスプレッダとクーラーとの間に塗るとCPUソケットやマザーボード上の端子に垂れて付着してしまう可能性があり、最悪ショートしてお亡くなりになるリスクもあります。
なので、CPUコアとヒートスプレッダの間に塗るのが一般的(殻割り行為がすでに"逸般的"という話はおいといて)で、その場合浸食や液ダレのリスクはほぼありません。
理由としてはIntel CPUのヒートスプレッダは銅製なのでガリウムで脆化しないのと、ヒートスプレッダをダイと再び接着するためにシリコンゴムで4辺囲うようにシーリングするので液ダレしないからです。
現在はLIQUID PROより実測温度で冷えると定評のthermal grizzlyさんの「Conductonaut」通称クマメタルが人気のようです。(熱伝導率の公称値はLIQUID PRO>Conductonaut)
みかんも8700K、9900Kを殻割したときはクマメタルを使用しました。
SILVER KINGの概要
それでは本日のメインにご登場いただきましょう!
名前にシルバーが付くけどパッケージはブラック&ゴールド(*ˊᵕˋ*)
内容物
塗布する前のクリーニングクロス(アルコールをしみ込ませたペーパー)も入ってました。
クマメタルと本体外観が酷似してることや、付属の綿棒や先端に付ける注射キャップが同じものだったので、高熱伝導率だけを謳ったOEM品かなぁとか思っちゃいました。
あとでわかるとおり実際の冷却性能が違うので少なくとも中身は別物です。
Thermalrightさん疑ってごめんなさい(つω`*)
SILVER KING | LIQUID PRO | Conductonaut | |
---|---|---|---|
熱伝導率 | 79.0W/m・k | 82.0W/m・k | 73.0W/m・k |
容量 | 1g/3g | 非公開 | 1g/5g |
価格(※) | 1,598/3,974円 | 1,980円 | 2,213/4,380円 |
※2019年6月29日時点の価格(リキプロとクマメタルはAmazon価格)
(ちょっとより道)1年7か月経過したクマメタル
おそらく気になってる人も多いであろう液体金属を塗って時間経過したらCPUコアやヒートスプレッダはどうなってしまうのか、2017年11月下旬に殻割 + クマメタル化したCore i7 8700Kを再開帳してみました。
上で説明したとおり、液体金属が揮発なんてするはずないのに最近全然冷えないなぁと思ったら...肝心のコア部分から液体金属がこぼれてほぼ載ってない状態に。これじゃあ冷えるわけない。
マザーボードをケース内に設置してたので、重力で下方向にこぼれるのかなぁとか想像してましたが、ほぼ全方向にこぼれてました。
おそらく考えられるのは液体金属を塗り付けるとき、あるいはヒートスプレッダと再接着した際に少量の気泡が入ってしまい、熱膨張して破裂。
もしくは熱運動により徐々に外へこぼれた。
(さすがに後者だと不自然な気もしますが)
液体金属の劣化や変色はなく、ヒートスプレッダ側も異常なし。
綿棒などでこぼれた液体金属をコア部分に戻してあげたところ塗りたてと同等の冷却性能が復活しました。
殻割 + 液体金属にしたはずなのに冷えない場合、再殻割してこぼれてないかチェックしてみると良いかもしれません。
銀王 VS クマメタル
目玉となる実冷却力のチェックと対抗馬であるクマメタルとの比較検証をしてみました。
液体金属を塗り直す際はエレクトロニッククリーナーと綿棒でしっかりと除去し、研磨剤(FLITZ メタルポリッシュ)で綺麗に磨き上げます。
塗った感触や見た目はリキプロやクマメタルとまったく区別が付かない感じでした。
検証マシン
種類 | パーツ |
---|---|
OS | Windows10 May 2019 Update(Ver 1903) |
マザーボード | GIGABYTE Z370 AORUS Gaming 7 |
CPU | Intel Core i7 8700K |
グラフィックス | MSI RX550 AERO ITX 2G OC |
クーラー | 本格水冷(360mm x 12mm x 60mmラジエータ) |
メモリ | T-FORCE NIGHT HAWK RGB White DDR4-3200 8GBx4 |
ストレージ | SANDISK Ultra 3D SSD 250GB |
電源ユニット | Seasonic FOCUS Plus Platinum 850W |
ケース | STREACOM BC1 Open Benchtable |
レギュレーション
・室温:25.5℃
・温度計測:HWMonitor 1.40.0読み
・CINEBENCH R20 3回実行
・OCCT V5.2.0 LINPACK 10min完走
計測結果
電圧が低い定格やALL 5GHz程度では温度があまり上がらないため、両者誤差レベル。
5.1GHzの1.45V盛りだと80℃を超えるものの、銀王とクマメタルに差が開きました。
公称値の熱伝導率は銀王 > クマメタルでしたが、ソフト読みではあるものの実計測でも銀王に軍配が上がりました。
OCCT LINPACKでも同様の傾向で、定格では温度が低く差は出ませんが、ALL 5GHz、1.36V盛りで差が出て、やはり銀王のが冷える結果に。
※5GHz、1.35VのOCCTではBSODが発生したため、1.36Vへ0.01V昇圧
※5.1GHz、1.45VはCPU温度 100℃未満なものの、VRMのセンサー温度が100℃になりOCCTが完走しなかったので未計測
80℃前後から差が開き始める感じなので、電圧1.3V程度までの軽いOCなら差はありませんが、常用ギリギリを詰める際の上限引き上げに貢献してくれると思います。
いかがでしたでしょうか。
正直、クマメタルと冷却性能は変わらないだろうなと思ってたので、これだけの差が出たことに驚きです。しかも価格も安い!
これからの新定番は殻割 + 銀王で間違いないと思います。
さすがキングの名は伊達じゃなかった(ㆁᴗㆁ✿)
それでは最後まで読んでくださってどうもありがとう٩(ˊᗜˋ*)و
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