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旬組み!2023 Intel第14世代 最新CPUをレビュー「14900Kは買いなのか...?」

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インテルの新CPUが発売されたー!

12世代以降から毎年秋に発売するのが恒例になってきたわね

14世代でどれくらい速くなったかな?

前世代と同じアーキテクチャのリフレッシュ版なうえ、フラッグシップのCore i9 14900Kはクロック微増しだけみたいよ

えー!?じゃあ残念世代かな?

一応Thermal Velocity Boostで6ギガーの大台に乗ったわね

それって13世代スペシャルエディションの13900KSで既に達成されてたよね

めずらしくするどい...既に13世代CPUを使ってる人が買い替えるメリットはほとんどないかもしれないわ

うーむ...国内価格も前世代より値上がりしたし今は時期が悪いってやつじゃ...
まあせっかく購入したしとりあえず13900Kと比較してどれくらい速くなったか、ベンチマークチェックしてみよ!

こんばんワ🍊みかんです。
10月は休日出勤だらけで発売日から少し時間が経ってしまいましたが、Core i9 14900K(14th Gen)を入手できたのでレビューしていくます!
今年は10月17日22時に販売解禁となり、一部ショップでは深夜販売も開催されたけど、事前のリーク情報でフラッグシップのスペックは微妙というのが知られていたので売れ行きは...なご様子でした。
これまで第5世代、第11世代を除いて歴代フラッグシップを購入してきましたが、どうやらCore iシリーズのネームとしては最後?になるとの噂も出ており、ファン精神で購入することにしました笑
今回も最前線な旬パーツたちを使って、本格水冷マシンで各種ベンチマークをチェックしてみたので、興味があれば最後まで読んでいただけると嬉しいです!

 

旬のパーツたち!

今回使用した旬のPCパーツたちを簡単に紹介しておくます。

CPU

冒頭でお伝えしたとおり2023年10月17日に発売されたばかりの最新CPU Intel Core i9 14900K

化粧箱は前世代13900Kと全くおなじ。
本体はシリコンウェーハ風にデザインされた銀色のケースに入ってます。

ヒ―トスプレッダも前世代から変更なし。12900KSから追加されたQRコードのようなものが今作にも刻印されてます。

ゴールドコンタクト部分も前世代と同じです。

対応ソケットはLGA1700と同じなので、マザーボードはIntel 600シリーズ、700シリーズのマザーボードで使用できます。
オーバークロックを楽しむならZ690かZ790マザーで使いましょう!

私の個体のシリコンダイ品質推定値 Silicon Prediction(SP)値はSP「100」、P-Core SP「112」、E-Core SP「78」でした。

13900Kの時もSP値100くらいが平均のようだったので、14900Kも平均あたりだと思います。
ちなみに13900KはSP「100」、P-Core SP「110」、E-Core SP「81」だったので、Pコアは少し良くなり、Eコアは悪くなった感じ。
※SP値が高いほど低電圧で動作する傾向にあるため、高いオーバークロック耐性が期待できます。(期待できるだけで実際にオーバークロック耐性が高いことを保証するわけではないです)

 

CPUスペック
  Core i9 14900K Core i9 13900KS Core i9 13900K Core i9 12900KS Core i9 12900K
開発コード Raptor Lake Refresh Raptor Lake-S Raptor Lake-S Alder Lake-S Alder Lake-S
プロセス技術 Intel 7 Intel 7 Intel 7 Intel 7 Intel 7
ソケット LGA1700 LGA1700 LGA1700 LGA1700 LGA1700
コア/スレッド数 Pコア 8/16
Eコア 16
Pコア 8/16
Eコア 16
Pコア 8/16
Eコア 16
Pコア 8/16
Eコア 8
Pコア 8/16
Eコア 8
クロック(GHz)
定格/ ブースト
Pコア 3.2/5.6
Eコア 2.4/4.4
Pコア 3.2/5.4
Eコア 2.4/4.3
Pコア 3.0/5.4
Eコア 2.2/4.3
Pコア 3.4/5.2
Eコア 2.5/4.0
Pコア 3.2/5.1
Eコア 2.4/3.9
Turbo Boost Max 3.0(GHz) Pコア 5.8 Pコア 5.8 Pコア 5.7 Pコア 5.3 Pコア 5.2
Thermal Velocity Boost(GHz) Pコア 6.0 Pコア 6.0 Pコア 5.8 Pコア 5.5 -
L2キャッシュ容量(MB) 32 32 32 14 14
L3キャッシュ容量(MB) 36 36 36 30 30
PCIeレーン数 5.0 x16
4.0 x4
5.0 x16
4.0 x4
5.0 x16
4.0 x4
5.0 x16
4.0 x4
5.0 x16
4.0 x4
対応メモリ DDR5、DDR4 DDR5、DDR4 DDR5、DDR4 DDR5、DDR4 DDR5、DDR4
統合グラフィックス UHD Graphics 770 UHD Graphics 770 UHD Graphics 770 UHD Graphics 770 UHD Graphics 770
TIM ソルダリング ソルダリング ソルダリング ソルダリング ソルダリング
PBP(旧TDP)(W) 125 150 125 150 125
MTP(W) 253 253 253 240 241
倍率ロックフリー 対応 対応 対応 対応 対応
価格円(税別)/(税込) 99,818/109,800 112,545/123,800 96,182/105,800 96,182/105,800 72,545/79,800
価格ドル 589 699 589 739 589
為替レート 2022年10月月初~10月中旬
148~150円
平均149.2
2023年1月月初~1月中旬
131~133.7円
平均132.8
2022年10月月初~10月中旬
144~147円
平均145.4
2022年3月中旬~3月末
117~124円
平均120.4
2021年10月中旬~10月末
113~114円
平均114
国内発売日 2023/10/17 2023/1/12 2022/10/20 2022/4/5 2021/11/4

前世代と比較してブーストクロックはPコアで+200MHz、Eコアで+100MHzアップしました。
Turbo Boost Max 3.0によるブーストは13900K比で+100MHzアップしたものの、13900KS比だと同じスペックです。
またThermal Velocity Boostによるブーストは13900K比で+200MHzアップしたものの、これも13900KS比だと同じです。
L2、L3キャッシュやPCIeレーンは変更ありません。
13900K比で見れば全体的にクロック微増してるけど、13900KS比でみると差は無いと言えるでしょう。
唯一の評価点といえば価格が12900K、13900K、14900Kと3代にわたってドル売価は$589と値上げされていません。
一方、国内価格は円安や輸送費などのコストアップにより年々値上げされてます。。。
私は量的緩和政策を一刻も早くやめるべき派です。 

 

ビデオカード

CPUはひととおり紹介したので、今回使用するビデオカードを紹介しましょう。
今年は新世代が登場してないので2022年10月に発売されたモンスタービデオカード ASUS TUF Gaming Geforce RTX4090を採用。

空冷のままでも十分冷えてたけど、いつもどおり本格水冷化して使用してます。

 

マザーボード

毎年新CPUに合わせてチップセットも新しくなってたけど、今年はチップセット更新はありませんでした。なので昨年購入したASUS ROG MAXIMUS Z790 APEXを継続使用することに。

白基板にシルバーのヒートシンクがカッコいいんよ!
ハイクロックのDDR5メモリがすんなり起動してくれるのもお気に入り。

 

メモリ

メモリはGALAX HOF PRO DDR5-8000

国内未発売だけど、どうしても欲しくて知人に頼んで個人輸入しました。
基板は黒だけど、ヒートシンクのデザインがHOFらしいホワイト基調でクール。
やっぱりHOF最高だよ!( ゚∀゚)o彡°HOF!!

 

電源ユニット

電源はSUPER FLOWER LEADEX V PLATINUM PRO 1000W White

LEADEX VIが2023年夏に国内でも取扱い開始されたので新製品ではないけど、PCIe 5.0 ReadyなのでハイエンドのRTX4090、4080で必要な12VHPWRケーブルも付属してます。
付属ケーブルもホワイトに統一されてるのがポイント高い。
すべてのコンデンサが日本製105℃高耐久品を採用してるのもありがたい。

 

ビルド!

紹介したPCパーツたちを使って組み立てていきます。
まずはマザーボードにCPUを装着!

マザーボード標準搭載のソケットカバーだとCPUヒ―トスプレッダの中央に高い圧力がかかって長期間使用していると中央が凹状に反るので、サードパーティ品に換装してます。
1,200円程度で買えるのでオススメ。

グリスは熱伝導率10W/m・K程度あれば、冷却力に差がないことは以前検証してわかっているので何でもOK。
👉自作PC ~お気に入りのグリスを探そう!~ 8種類で検証してみたよ

家に余っていたthermal grizzly Kryonaut Extremeを使用。

ウォーターブロックとメモリを取付け。

ビデオカードを挿して電源ケーブル類を繋げたら完成です!(超割愛)

STREACOM BC1 V2 Open Benchtable Silverっていうベンチ台を長らく愛用してるけど、頻繁にパーツ交換する人は、是非一度ベンチ台を使ってみてほしい。
組み換えが楽すぎてケース内に組み込むのが面倒になる()
そうして私のメイン機は3年以上ハダカのままです笑
一応服(ケース)は買ってあるんですよ?いつか着せてあげようと思います。

 

検証環境とレギュレーション!


水冷システム部分も刷新予定だったけど間に合わなかったのでいつもの。

使用パーツ一覧
ケース STREACOM BC1 V2 Open Benchtable Silver
OS Windows 11 Pro (Ver.22H2)
マザーボード ASUS ROG MAXIMUS Z790 APEX(BIOS: 1402)
CPU Intel Core i9 14900K/13900K
CPUグリス Thermal Grizzly Kryonaut Extreme
CPU水枕 EK-Velocity D-RGB(PPCs Mod Edition)
メモリ GALAX HOF PRO DDR5-8000 CL36 16GB x2
ビデオカード ASUS TUF Gaming GeForce RTX 4090
ビデオカード水枕 EK-Quantum Vector² RTX 4090 D-RGB - Nickel + Aceta
NVIDIAドライバ 528.24
ストレージ(システム) Samsung SM951 256GB
電源ユニット SUPERFLOWER LEADEX V PLATINUM PRO 1000W White
リザーバ/ポンプ EK-Quantum Kinetic FLT 120 D5 PWM D-RG - Plexi
ラジエータ Alphacool NexXxos UT60 Full Copper 360mm
ラジエータファン Cooler Master MASTERFAN SF120M x3基

 

冷却環境
室温 室温計 25.1℃
水温 水温計 27℃
ポンプパワー 80%、回転数4000 rpm
ラジエータサイズ 幅360mm、厚み60mm
ファン回転数 1500 rpm

 

OC設定
CPU 手動OCなし:マザーボードのパワーリミットはデフォルトで無制限
メインメモリ XMP 3.0適用:8,000MHz、CL36-48-48-128、CR 2T、1.50V
ビデオカード 手動OCなし:GPUクロック 2,520MHz、メモリクロック 21.0GHz

 

ベンチマークで性能チェック!

お待ちかねのベンチマーク結果です。

CINEBENCH R23


CINEBENCH R23はCPU性能を計測する定番ベンチマークソフト。3Dシーンのレンダリング性能を測定することができます。CINEBENCHシリーズの3世代目にあたるベンチで、かなり重たい処理になってます。


マルチ性能のスコアが伸びてないのには衝撃でした。。。
全コア動作時のPコアクロックは+200MHz、Eコアクロックは+100MHz増えてるので2%~3%くらいは伸びると思ってました。
スコアの上振れ、下振れによって差がなくなったということも考えられるけど、誤差で埋まる性能差とも言えてしまいます。。。
一方、シングル性能は+4.5%ほどスコアアップしました。

 

CINEBENCH 2024


2023年9月5日にリリースされたばかりのCINEBENCHシリーズの最新バージョン。
従来のCINEBENCH R23と比較してマルチスレッドにおけるレンダリングテストの計算量を6倍に増加させているとのこと。


マルチ、シングルともに+2%程度のスコアアップ。
アップしているとはいえ微増ですね。アーキテクチャ変更なしにクロックが+3%程度上がったことを考えると妥当なラインかもしれません。

 

CPU-Z Bench


CPUのモデルやコア数、クロック、マザーボード情報、メモリサイズや速度など、PCの様々な情報を確認することができるシステム情報表示ソフトウェア「CPU-Z」に搭載されているベンチマーク。短時間で簡易的にCPU性能を測定できます。


CINEBENCH R23と同様、マルチ性能スコアでは+1%未満のスコアアップに留まりました。
シングル性能は+2.7%のスコアアップ。

 

GeekBench6


GeekBench6は2023年2月14日にリリースされたCPU性能、GPU性能を測定できるベンチマークソフト。
CPUベンチマークではIntel Core i7 12700の2,500点をベーススコアとして、対比できるように処理性能を測定しスコア化しているとのこと。(スコアが2倍なら性能も2倍)
AR(拡張現実)やML(機械学習)といった最新テクノロジーに対応するテストも含めれているんだとか。旧バージョン同様、メモリのパフォーマンスがスコアにしっかり反映されます。
有料ソフトだけど、共有サイトへスコアが自動投稿されるトライアウトモードであれば無料で使えます。


GeekBench 6でもマルチ性能は+1.5%程度でほとんどスコアアップなし。。。
一方、シングル性能は+3.7%アップしており、最大クロックが6.0GHzに上がったを実感させてくれます。

 

Super Pi Mod


指定した桁数の円周率を計算するのに要した時間を計測するソフトで、1995年に東京大学の研究室で開発されたもの。
競技用ベンチマークとして、ミリ秒のタイミング、チート保護、チェックサムが追加されたのがModバージョンです。
CPUシングル性能とメモリ性能が計測時間を左右するベンチマークで、グラフが短いほど高い性能を示します。
今回は最大の3,200万桁を計算するのにかかった時間を測定。


10秒近く計算時間が縮まり、性能比としては+3.5%アップです。

 

PCMark10


PCMark10は実際に存在するアプリや現実の挙動に基づいてシステム性能を計測することをコンセプトにしたベンチマークソフト。
今回テストしたPCMark10 Extendedは9つのワークロードがあり、各ワークロードを組み合わせて4種のテストグループとしてスコアを測定してくれます。

総合 テストグループ ワークロード
Overall Essentials:
PCの基本性能
①アプリの起動時間
②Webブラウジング
③オンラインミーティング
Productivity:
ビジネスアプリ性能
④Word系
⑤Excel系
Digital Content Creation:
コンテンツ制作性能
⑥写真のフィルタ加工
⑦動画加工
⑧レイトレーシングによる3Dグラフィック制作
Gaming:
ゲーム関連の性能
⑨3Dゲーム(3DMark FireStrike)


総合スコアは+3.7%性能アップ、基本性能のEssentialsは+1.6%、ビジネスアプリ性能のProductivityはなんと+10.3%もスコアアップしました。
逆にコンテンツ制作性能のDigitalContentCreationは+0.5%と誤差レベル。
3Dゲーム性能のGamingは+2.6%スコアアップ。

 

OCCT CPU Bench


CPU 、GPU、電源ユニットなどコンポーネントを選択して大きな負荷を与えることができるソフトウェア。常用におけるオーバークロックの安定性をチェックするのに活用されることが多いです。
CPU BenchmarkではSSE系の処理、AVX系の処理をスコアとして計測できます。
SSEやAVXはSingle Instruction Multiple Data(SIMD)と言われる行列計算を行う拡張命令。画像、動画、物理計算などの処理で使われます。
SSE:128bit
AVX:256-512bit


SSE系処理性能、AVX系処理性能はシングルスレッド、マルチスレッドいずれもスコアアップしてます。

 

3DMark


FireStrikeはDirectX11のAPIを使用した3Dグラフィックス性能を測るベンチマーク。
2013年2月にリリースされて以降、グラフィックスベンチといえばコレってくらいの定番。(CPUでいうところのCINEBENCHみたいな)
CPU性能の差を比較するため、Graphics scoreではなく、Phisics scoreやConbined scoreを含めたOverall(総合)スコアでチェックしてます。


TimeSpyはDirectX12のAPIを使用した3Dグラフィックス性能を測るベンチマーク。
2016年7月にリリースされて以降、FireStrikeと同じく愛されつづけている定番ベンチ。
CPU性能の差を比較するため、Graphics scoreではなく、Phisics scoreやConbined scoreを含めたOverall(総合)スコアでチェックしてます。


SpeedWayは2022年10月12日にリリースされたグラフィックスベンチマーク。
最新APIであるDirectX 12 Ultimateを使用。
反射の間接光「グローバルイルミネーション」、リアルタイム反射光「リアルタイムレイトレーシング」、PBR(物理ベースレンダー)、可変レートシェーディング、メッシュシェーダーなどを利用したパフォーマンスをテスト可能。


フルHD解像度のFireStirkeでは+4.4%スコアアップ。WQHD解像度のTimeSpyやSpeedWayではビデオカードがボトルネックになっているためかスコアアップせず。
正直、フラッグシップの14900Kを使ってフルHD解像度のゲームをする人は少ないんじゃないかと思います。(ビデオカードもそれなりにハイエンドのものを使っているはず)
なので、実際のゲームプレイ体験(GX)で恩恵は少なそう...というか無さそう。

 

ファイルファンタジーXIV 暁のフィナーレ


DirectX 11 API動作のゲーム。
新生エオルゼア以降、未だに人気の衰えないオンラインRPG。
暁月のフィナーレは2021年12月リリース。
メモリのオーバークロックでぐいぐいスコアが伸びるため、オーバークロッカーにも人気のベンチマーク。
2022年2月にグラフィックスアップデートが発表さたものの、いつ実装されるかは不明。2023年7月29日30日にラスベガスで開催されたファンフェスティバルでは、グラフィックが向上したキャラクター、フィールドの様子などが途中経過として発表されました。
グラフィックスアップデート後の推奨動作環境[i7-9700、RTX2060]がそこまで高くないので、引き続きDirectX 11ベースと思われます。グラフィックス刷新後も新しいベンチマークソフトを出してくれることを期待してます!


フルHD解像度、4K解像度いずれもスコアアップしたものの+2%未満で、その差は大きくありません。
ハイクロックメモリ(厳密には低レイテンシ)にするほうがスコアアップし易いので、DDR5-4800やDDR5-5200のメモリを使っている人でフレームレートを上げたいならCPUよりメモリを買い替えるほうが恩恵が大きそう。

 

ファイナルファンタジーXV


DirectX 12 API動作のゲーム。PC版は2018年3月リリースと4年以上経っているオフラインゲームだけど、DirectX 12ベースかつNVIDIA DLSSに対応している無料ソフトは他にないので、ベンチマーカーには今でも重宝されてます。
今回はCPU性能の計測を目的としてるのでNVIDIA DLSSを使った計測は割愛してます。


フルHD解像度では+2.98%とクロックアップした分がスコアに反映されてます。
一方で、4K解像度では3DMark同様、ビデオカードがボトルネックでCPU性能差は出てませんね。

 

PSO2 ニュージェネシス


貴重な国産オンラインアクションRPGのベンチマークソフト。DirectX 11 API動作。
2021年6月にニュージェネシスとして生まれ変わり、負荷としてはFF15ベンチマークの高設定と同程度な感じです。


PSO2NGSはCPU性能差をあまり受けない傾向にあることや、フレームレート上限が180fpsなので、スコアは50,000前後が天井です。フルHD解像度では13900K + RTX4090の組合せですでに50,000に到達してるので14900Kに換装しても性能向上はみられず。
4K解像度ではフレームレートが180fpsに張り付いていないので、伸びる余地は残ってるものの、ビデオカードがボトルネック状態なのでこちらもCPU性能差は見られません。

 

BLUE PROTOCOL


2023年6月14日にサービスオープンしたばかりの国産オンラインアクションRPG。DirectX 12 API動作。UI周りが最近のゲームとは思えない使いづらさだっり、コンテンツも使いまわしが多く、まだまだこれから改善・ボリュームアップ・遊びの幅が必要な印象。国産かつアニメ調MMOは本当に貴重なので頑張ってほしい。
ゲーム内容は一旦置いておいて、ベンチマークソフトは無料で利用でき、おそらくフレームレートも無制限なのでPCパーツ性能を計測する目的で当記事では今後も活用していく予定。
CPUオーバークロック、メモリオーバークロックによる試行をほとんど試せてないので、どういった傾向のベンチマークかはまだわかっていない。今後OC編の記事を書く際にそのあたりの特徴もお伝えできたらなと思います。


フルHD解像度では+2.5%とクロックアップ分がスコアに反映された印象。
一方、4K解像度においてはビデオカードがボトルネックのようで性能差はでませんでした。

 

温度チェック!

前世代13900Kの時はOCCTでの
・テスト時間:30分
・データセット:大
・モード:エクストリーム
・負荷ロードタイプ:一定
の条件で計測できたけど、最新バージョン12.1.10ではエラーが大量に発生し、20分過ぎあたりからソフトがフリーズし完走できませんでした。
なので今回は、CINEBENCH R23と、さらに高負荷となったCINEBENCH 2024でチェックすることにしました。
また、CINEBENCHは負荷が高すぎて一般用途とはかけ離れていることから、実際に存在するアプリや現実の挙動ではどうなのかを確認するため、PCMark10 Extendedでも計測を行いました。

CINEBENCH R23 10min


前世代13900KではBIOSからVFカーブで電圧を手動で下げないとすぐに上限の100℃に到達してました。14900Kも前世代と同じアーキテクチャにクロックを上げただけなので、温度の上がりやすさは変わっていません。いや、むしろ上がりやすくなった。
ベンチマークを1周するころには最も熱いコアで100℃に到達。ちなみに「検証環境とレギュレーション!」の章でも紹介したとおり、厚さ60mmの360mmラジエータを使った本格水冷でコレである。熱い...熱すぎる。14900Kを空冷で長期間運用するのはまずもって無理かと。
Eコアではサーマルスロットリングは発生してないものの、Pコアは8コア中6コアでサーマルスロットリングが発生。
今後、VFカーブで降圧して95℃程度に抑えられるのかチャレンジ予定。

サーマルスロットリング:
温度が閾値に達した場合、製品が壊れたり発火を防ぐための安全装置として、自動的に動作クロックを落とし発熱を抑える機能。
この機能が発動すると動作クロックが低下し本来のパフォーマンスを発揮できなくなります。

 

CINEBENCH 2024 10min


CINEBENCH R23よりさらに高負荷となった2024。もちろんすぐに100℃到達。
Pコアのサーマルスロットリングは8コア中6コアで発生。

 

PCMark10 Extended


実際に存在するアプリなど現実の挙動に近いPCMark10 Extendedの実行中ではどうかというと。。。はい、Pコアの8コア中4コアでサーマルスロットリング発生しちゃってます。

とはいえ常時発生しているわけではなく、CGレンダリングの一瞬だけです。
HWiNFO64のロギング機能でPCMark10 Extended実行中の温度を記録したグラフが下です。(オレンジ色のグラフ)


開始から19分あたりで一瞬100℃に到達してますが、他は80℃以下に収まってます。
後半の21分あたりはゲーム性能を測定するFireStrikeが実行中で、温度は80℃とゲーム中にサーマルスロットリングが発生する心配はなさそう。
とは言え、CINEBENCHのような高負荷でなくとも100℃に到達してしまうのはいかがなものかと。100℃でCPUがすぐに壊れるということはないけど、間違いなく寿命は削れるので、温度監視+用途によってはVFカーブによるチューニングがマストになるかと。

 

消費電力チェック!

最大消費電力は、温度計測でベンチマークを実行したときのHWiNFO64のPackage Power MAX値です。

ベンチマーク 最大消費電力
CINEBENCH R23 10min 358.520W
CINEBENCH 2024 10min 348.068W
PCMark10 Extended 338.427W

前世代13900KのときはCINEBENCH R23 10minテストで最大327.678Wだったので、消費電力は30W程度増えたと言えます。クロックが上がった分、要求電圧も上がって消費電力も増える、そういうことですね。。。
私が使用したマザーボード ASUS ROG MAXIMUS Z790 APEX(BIOS: 1402)ではデフォルト設定でPL1=253W、PL2=4095W、Tau=56secになってるので、56秒間は実質電力無制限で動作して350Wを超えます。56秒以降はPL1で制限され250W前後で動作します。250Wでも十分大飯ぐらいだけど。
PL1:長時間電力制限
PL2:短時間電力制限
Tau:短時間電力制限時間

ビデオカードにRTX4090を使って、ゲームしながら裏で大量のRAW現像みたいな使い方をすると瞬間的に CPU 358W + ビデオカード 450W = 800Wを超える電力が必要になる可能性も。そこにプラスしてマザーボード、メモリ、ストレージ、冷却システムの電力も必要なので850W容量の電源ユニットでは足りません。
最低でも1000W以上の電源ユニットと組み合わせて運用しましょう。

 

まとめ

オススメ度:★★☆☆☆

👍最大ブーストクロックが6.0GHzになった
👍コンシューマ用途で必要な閾を超えた圧巻のパフォーマンス
👍Z690など前世代のチップセットマザーボードで使える

😓国内価格が高い(ほぼ同じ性能の13900KSが10/27時点103,974円で購入可能)
😓圧倒的消費電力
😓圧倒的発熱
😓前世代13900K比であまり性能向上していない

Intel Core i9 14900K(14th GEN)は各種ベンチマークにおいて前世代13900K比で微増であり、実利用で性能向上を体感することは難しいです。
14世代のセールストークもゲーム用途に最適と謳ってますが、ゲームで14900Kを使うPCにエントリークラスのビデオカードを組み合わせることは稀だと思います。そしてミドルクラス以上のビデオカードを使うならフルHDではなくWQHDや4K解像度で遊ぶニーズのが高いと思います。WQHDや4K解像度では12世代以降のCPUであれば差はでません。昔はCPU性能が上がれば動画のエンコード時間が短くなってましたが、今はビデオカードでエンコードする時代。コンテンツ消費やオフィス系アプリ、3Dゲームで使う分にはここまでのハイエンドCPUはもはや必要ありません。残された活用場面で思いつくのは今回紹介しなかった物理演算ゴリゴリなシミュレータとか、膨大なRAW現像くらいかなと思います。
13世代の時にも書きましたが、10万円以上も払って買い替えるメリットはほとんどない(少なくとも12、13世代を使っている人は)ので、私のように最上位の所有欲を満たしたい方やメーカーの熱狂的なファンにしかオススメできません。

消費電力は増え温度管理がますます困難になり、世代を重ねるごとに扱いにくくなってます。厚さ60mmの360mmラジエータによる本格水冷をもってしても室温25℃下でCINEBENCH R23を1周するだけで100℃です。
Intelだけの話ではなくAMD Ryzen 7000シリーズのハイエンドにも言えることですが、いちいち温度を確認して、用途によっては電圧チューニングが必要というのはどうなんでしょうか。100℃になっても短期間ですぐに壊れることはないと思いますが、100℃を超えないようにマザーボードのデフォルト設定で制限されているということは裏を返せば100℃に到達してしまうのはあまり宜しくないということです。
ライバルより少しでも高い性能指標を見せることに躍起になってユーザビリティがおざなりになってます。せめてハイエンド空冷クーラーで90℃程度に収めてほしいところ。

最後は酷評といえるかなり厳しい話になりましたが、私はCoreシリーズをほぼ毎世代買うくらいIntel CPUが大好きです!Intel株を買って応援するくらいに(株価の調子もアレですが)。大好きだから期待したいんです。是非、次世代は消費電力、温度面で安心して使える方向性への進化を願っております。
皆様は今後のIntel CPUにどのような期待をしますか?良ければコメントで教えてくださいね!

 

それでは最後まで読んでくださってどうもありがとうございました(੭ ᐕ))
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記事内のアイキャッチ画像は一部画像生成AI「Stable Diffusion」で生成したものを加工利用しています。
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