e-SportsやLANパーティの登場と、人気Youtuberやプロゲーマーがゲーム実況配信、動画投稿で盛り上げてくれているのもあって、近年のPCゲーム分野はとっても活気がありますね。これからPCゲームをやってみたい人や、既にPCでゲームをしているけど、最新ゲームに合わせたスペックアップで買い替えを検討されている人もいるはず。
本記事は「ゲーミングPC」を購入するにあたって、BTOパソコンと自作パソコンのどちらがお得なのか2019年2月7日時点の価格状況から比較してみたいと思います。
レギュレーション(パーツ構成)
PCはパーツの構成によって金額が大きく変わってしまうので、ディスプレイ、マウス、キーボードは含まず、PC本体のみとして表のパーツ構成をBTO、自作いずれもお見積りの共通としました。
※BTOでは無料でマウス、キーボードが付属してくることも多いですが、追加料金が発生する場合は選択しません。ソフトウェア系のオプションについても同様です。
種類 | パーツ |
---|---|
OS | Windows 10 Home 64bit 日本語 DSP版 |
CPU | Intel Core i7-9700K |
CPUクーラー | 空冷 サイドフローCPUクーラー |
マザーボード | Z390チップセット ATXフォームファクタ |
グラフィクス | Geforce RTX 2070 |
メモリ | DDR4-2666 16GB(8GB x2) |
ストレージ | SATA3 SSD 500GB |
ストレージ | SATA3 HDD 1TB |
電源ユニット | 750W 80PLUS GOLD |
昨年11月に発売されたIntel第9世代最新CPUと昨年10月に発売された最新ビデオカードを選択。
CPUの9700Kは8コアもあるので、タイトルにもよるとは思いますが、多くはゲームをしながらの動画配信もできると思います。
ビデオカードはRTXシリーズなので対応タイトルであれば最新機能のリアルタイムレイトレーシングによって、よりリアルに近い光の反射や影の表現が体験できます。
メインストレージとなるストレージ1はゲームのロード時間を短縮するためSSDにしました。サブストレージ(データ保存用)であるストレージ2には、あまり遊ばなくなったゲームデータを退避したり、録画したゲーム動画などを保存できるように1TBのHDDにしてみました。
HDDは低価格大容量化が進んでいるのでもっと大きい容量のものでもいいのでは?
と思うかもしれませんが、初期コストが少し抑えられるのと、将来的にはさらに低価格大容量になっていると思うので、足りなくなったタイミングで買い足す or 換装するというプランです。
BTOパソコンのお見積り結果
BTOパソコンは多くのメーカー・ショップから販売されてますが、今回は国内のSycom(サイコム)、TSUKUMO(ツクモ)、ドスパラ、パソコン工房、マウスコンピュータの5社で見積もりました。
それぞれのサイトに行って、ゲームPC>9700KとRTX 2070を選択できるモデルをベースに、レギュレーションに沿うようパーツ構成を変更しました。
表示金額は税込みです。
ショップ・メーカー | モデル | 金額 |
---|---|---|
Sycom | G-Master Spear Z390 | 242,340 |
TSUKUMO | G-GEAR GA7J-F181/ZT | 229,284 |
ドスパラ | GALLERIA XF | 206,604 |
パソコン工房 | LEVEL-R039-i7K-TO | 224,553 |
マウスコンピュータ | NEXTGEAR i690GA4 | 239,979 |
平均 | 228,552 |
さすがにCPUとビデオカードが最新モデルなので最も安かったドスパラでも税込20万円を超える金額となりました。
自作パソコンのお見積り結果
自作の場合BTO以上に選択肢が豊富で、無限に等しいほどの組み合わせができてしまいます。そこで今回はレギュレーションに沿いつつ、価格.comから安めのパーツを選択してみました。
※すべてのパーツがそのモデル内の最安値というわけではありません。
また、ケースとCPUグリスも購入しないと作成上問題があるので、手頃な価格のものを選択しました。
ケースは別途ケースファンを購入しなくて済むよう、フロントとリアに12cmファンが付属する「Thermaltake Versa H26 Black」にしました。サイドが流行りのアクリルパネルになっているのもポイントです。
CPUグリスは良く冷えると定評があり、著名オーバークロッカー清水貴裕さん推奨マークが入っている「Thermal grizzly kryonaut」通称クマグリスです。
初めて自作する人でPCとして動作するのに必要なものがわからない方も表のパーツ種別(左の列)が最低限必要になるので参考にしてみてください。なお、ストレージは1つでも良いです。
それでは結果を見てみましょう。
種類 | パーツ | 金額 |
---|---|---|
OS | Windows 10 Home 64bit 日本語 DSP版 | 12,980 |
CPU | Core i7 9700K BOX | 46,493 |
CPUクーラー | 虎徹 MarkII SCKTT-2000 | 3,318 |
マザーボード | Asrock Z390 Pro4 | 12,767 |
グラフィクス | Palit GeForce RTX2070 8GB Dual Ver.2 | 61,980 |
メモリ | UMAX DCDDR4-2666-16GB HS | 12,780 |
ストレージ | Crucial MX500 CT500MX500SSD1/JP | 8,580 |
ストレージ | 東芝 DT01ACA100 | 4,140 |
電源ユニット | 玄人志向 KRPW-GK750W/90+ | 8,748 |
ケース | Thermaltake Versa H26 Black | 4,339 |
グリス | Thermal grizzly kryonaut | 762 |
合計 | 176,887 |
なんと税込み18万円を切りました!
手間や初期不良リスクを抑えるかコストを抑えるか
それぞれのお見積り結果を見てもらうとわかるとおり、単純に金額だけで比較すると今回のケースでは3万~6万5千円(平均5万2千円)も自作PCのが安いです。
※2019年2月7日時点の結果であり、時期によって価格は変動するためあくまでも参考としてください。
ただ、BTOは組立てのプロが作ってくれて、なおかつ動作確認やOSセットアップもされた状態で出荷されるため、届いてすぐ使えることや、初期不良が発生しにくい(搬送中に故障するリスクはあるので初期不良ゼロにはなりませんが)、またトラブル時のサポートといったメリットがあるので、そこを含めて安いとみるか高いとみるかは個人によるところかなと思います。
自作が高くつく印象はこだわりがあるから
私は2007年~2013年までのあいだ、1~2年間隔でBTOマシンを買い換えていました。
ケースファンやビデオカードなど一部のパーツ交換は自分でしていましたが、本格的に自作を始めたのは2015年からで、家族や友人のぶんも含めこれまで10台以上組立ててきました。
そのなかで感じたことは、私自身もそうですが、ゲーミングPCを買う人の多くは性能をより重視する(同グレードでもオーバークロックできる or されている製品を選ぶ)傾向や、昨今のサイドパネルがアクリルやガラスといったケース内を見て楽しめるものが多くなり、見た目も気に掛けます。こっちのが性能がいい!こっちのが見た目が好み!など "こだわり" が出てくる上、買い替える以上は前より良いものしたいと考えるので性能や見栄えの欲求はエスカレートしがち。
ただ、私のように毎年ペースで買い替える熱狂的自作erでもないかぎり、3年あるいは一部パーツを交換してアップグレードさせれば5年以上使っていけるものなので、多少高くついても愛着の湧くような自分好みに満足いくまでパーツを選定するのが自作の醍醐味の一つかなと思います。
是非いろいろ吟味して自分に合ったゲーミングPCを選んでみて下さい。
その際に今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。