フラン、今回はIntel 13900Kを温度管理していくわよ
以前検証したときは本格水冷使ったのに高負荷時に100℃に到達してたもんね
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そうね。セーフティ機能のサーマルスロットリングでCPUが壊れてしまうことはないんだけど、クロックが下がって最高パフォーマンスを発揮できなくなるわ
でもどうやって温度下げるの?殻割り?
13900Kは殻割りの手間をかけなくてもがっつり温度を下げることができるみたいなのよ
冷凍みかん法ですね?
違う違う;
電圧を落とすだけよ
e?電圧落としたら5.8GHzのハイクロック時にシステムダウンしそう...
前世代から導入された動作クロック別にコア電圧をオフセット調整できるVFカーブを使うのよ。
第13世代は発売してまだ日が浅いからマザーボードのBIOSチューニングが成熟してなくて、わりと高めの電圧マージンがとられているのよね
なるほど!クロックごとに不要な電圧マージンを落として温度を下げるってことね
それじゃあ早速検証開始よ!
こんばんワ(ㆁᴗㆁ✿)
冒頭でレミフラが話していたとおり今回は2022年10月20日に発売されたIntel第13世代CPUのフラッグシップ Core i9 13900Kについて、あまりにも温度が高すぎるのでUEFI BIOSからVFカーブで電圧を落としてサーマルスロットリングが起きないように調整してたんですが、思ったよりもガッツリ温度を抑えることができました。
そこで今回は、VFカーブを使った降圧設定の方法と検証結果をご紹介したいと思うます!
サーマルスロットリング:
温度が閾値に達した場合、製品が壊れたり発火を防ぐための安全装置として、自動的に動作クロックを落として発熱を抑える機能。13900Kでは閾値は100℃。コア別に閾値に達したコアの動作クロックが一時的に低下します。
検証環境
ラジエータとファンをそろそろお掃除しないとなと思う今日この頃
使用パーツ一覧
ケース | STREACOM BC1 V2 Open Benchtable Silver |
---|---|
OS | Windows 11 Pro (Ver.21H2) |
マザーボード | ASUS ROG MAXIMUS Z790 APEX(BIOS: 0703) |
CPU | Intel Core i9 13900K |
CPUグリス | Thermal Grizzly Kryonaut Extreme |
CPU水枕 | EK-Velocity D-RGB(PPCs Mod Edition) |
メモリ | G.Skill Trident Z5 RGB F5-6400J3239G16GX2-TZ5RS (DDR5-6400 CL32 16GB x2) |
ビデオカード | ASUS TUF Gaming GeForce RTX 4090(空冷) |
NVIDIAドライバ | 526.98 |
ストレージ(システム) | Samsung SM951 256GB |
電源ユニット | 玄人志向 PLATINUM KRPW-PA1000W/92+ |
リザーバ/ポンプ | EK-Quantum Kinetic FLT 120 D5 PWM D-RG - Plexi |
ラジエータ | Alphacool NexXxos UT60 Full Copper 360mm |
ラジエータファン | Cooler Master MASTERFAN SF120M x3基 |
冷却環境
室温 | 室温計 24.8℃ |
---|---|
水温 | 水温計 26℃ |
ポンプパワー | 80%、回転数4000 rpm |
ラジエータサイズ | 幅360mm、厚み60mm |
ファン回転数 | 1500 rpm |
OC設定
CPU | 手動OCなし:CPUコアクロック、キャッシュクロック変更なし |
---|---|
メインメモリ | XMP 3.0適用:6,400MHz、CL32-39-39-102、CR 2T、1.40V |
ビデオカード | 手動OCなし:GPUクロック 2,520MHz、メモリクロック 21.0GHz(GPU-Z読み1,313MHz/Afterburner読み10,501MHz) |
VFカーブ設定方法
UEFI BIOSから
Extreme Tweaker > V/F Point Offsetを選択
こんな感じでクロック別のVID設定を見れます。
温度が高くなるのはクロックが5500MHz以上に上がったときなので、ASUS Z790 APEX(BIOS:0703)と13900Kの私の個体ではV/F Point 7~11に降圧設定していきます。
V/F Point 7:5400MHz/1.299V
V/F Point 8:5700MHz/1.383V
V/F Point 9:5800MHz/1.413V
V/F Point 10:5800MHz/1.413V
V/F Point 11:5800MHz/1.413V(OC設定した最高クロック時)
※V/F Point 11はコアクロック倍率がデフォルトのままだと5800MHzで表示されます。例えば60倍に設定すると6000MHzと表示されます。
下の方へスクロールすると各V/F Pointの「Offset Mode Sign」「V/F Point Offset」が設定できます。
降圧するときは「Offset Mode Sign」に「-」(マイナス)を設定。
「V/F Point Offset」に降圧するオフセット値を設定します。
オフセット値は元の電圧に対する補正値です。例えば元のVID 1.300Vに対してオフセット値を-0.100に設定した場合
1.300+(-0.100)=1.200V
になるといった感じです。
設定した内容をF10キーで保存して再起動し、もう一度Extreme Tweaker > V/F Point Offset画面を確認すると設定内容が反映されてるのが確認できます。
私の13900Kはわりと良個体だったのか、ガッツリと降圧設定できました。
V/F Point 7:5400MHz/1.299V/-0.22000
V/F Point 8:5700MHz/1.383V/-0.22000
V/F Point 9:5800MHz/1.413V/-0.15000
V/F Point 10:5800MHz/1.413V/-0.15000
V/F Point 11:5800MHz/1.413V/-0.15000
固体によって必要なVIDは違うので設定してみてCINEBENCHやGeekBenchなどCPU系のベンチマークを実行して、降圧前よりスコアが下がっていないか、最後までベンチマークが完走できるかチェックしながら設定しましょう!
どれくらいで設定していいかわからない場合、まずは以下の範囲で試してみると良いと思うので参考までに。
V/F Point 7:5400MHz/-0.15000~-0.10000
V/F Point 8:5700MHz/-0.15000~-0.10000
V/F Point 9:5800MHz/-0.10000~-0.05000
V/F Point 10:5800MHz/-0.10000~-0.05000
V/F Point 11:5800MHz/-0.10000~-0.05000
ちなみに、私が安定動作を確認するためにテストした内容は以下です。
・CINEBENCH R23 Multi 10min
・CINEBENCH R23 Single
・CINEBENCH R23 Single/CINNEBENCH R20 Single同時実行
・CINEBENCH R23 Single/CINNEBENCH R20 Single/CINEBENCH R15 Single同時実行
・GeekBench 5
温度
マザーボード(ASUS Z790 APEX)デフォルト状態とVFカーブで降圧したときのベンチマーク実行時におけるCPU Package温度を見てみましょう。
CINEBENCH R23 10min
マザーボードデフォルト状態でのCPU Package最大温度:100℃
幅360mm厚み60mmの大きなラジエータを使用した本格水冷環境でも、CINEBENCH R23のような強烈な負荷がかかると、だいたいベンチマークの3周目あたりでサーマルスロットリングが発生しました。
私の13900Kでは特にP-Core5の温度が上がりやすく、真っ先にスロットリングが発生してました。
クロックが落ちてしまうため、スコアも39,000を下回ってます。
VFカーブで降圧設定したCPU Package最大温度:84℃
温度が上がりやすいP-Core5も84℃に収まりサーマルスロットリングは1度も発生していません。
スコアも安定して40,000を上回っていました。
マザーボードデフォルト状態とVFカーブ降圧状態での温度差はなんと▲16℃!
ここまで温度を抑えることができれば本格水冷でなくても、280mmや360mm簡易水冷で安心して運用できると思うます。
いかがでしたでしょうか。
まだIntel第13世代CPUは発売して日が浅いためUEFI BIOSが成熟しておらず、電圧のマージンがかなり盛られている印象でした。
Core i9 13900Kは消費電力も高いですし、アッチッチなCPUであることに違いないですが、きちんとコントロールしてあげれば、安心してフルパフォーマンスを常用できることがわかりました。
来年以降の新しいBIOSバージョンで、ある程度温度は落ち着くかもしれないけど、VFカーブ降圧はそれほど難しい設定ではないので是非試してみてください。
温度をがっつり下げることができたので、次回以降で6GHz超えの常用オーバークロックにもチャレンジしていこうと思うます!
それでは最後まで読んでくださってどうもありがとう٩(๑❛ᴗ❛๑)۶
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