フラン、ネコグリスの新作「SMZ-02S」を入手したわよ。
早くも2作目が登場したのね。
それで、今回はどんなグリスなのかな?
前回紹介したSMZ-01Rより少し熱伝導率は落ちるけれど、長期間使用してもドライアウトしにくい配合になっているらしいわ。
本来は1年くらいで掃除ついでにグリスも塗り直しておくのがベストではあるけど、ハードチューブの本格水冷なんかだと水枕の取り外しが大変だったりするし、業務用PCだとパーツの着け外しで万が一にもトラブルが起きたら大変だから、あまり頻繁にメンテナンスするのもリスクになっちゃうもんね。
そのとおりよ。このモデルは初期構築時に塗ってから放置プレイする向けの製品ね。(ただしホコリの放置はNGよ)
入手してすぐに耐久性を検証することはできないから、とりあえず今回は塗り心地(主観)や冷却性能をチェックしてみよー!
うー☆
っと、その前にお姉様、アイス買いましたか?
また忘れちゃった☆テヘ
帰り道の途中で食べたんですね、2つ。
食べてない。
そうですか、ジャイアントコーンはクッキー&クリームが好きなんですね。
なんでわかったの!?エスパーなの?
口の周りにコーンとクッキーのカスをいっぱい付けてれば誰でもわかります。
ゴメンナサイ、アトデモウイチドカッテキマス
こんばんワ。9月に入ってだいぶ暑さも和らぎましたね。今年の夏も終わってしまうんだなぁと感じつつも、アイスとゼリーばかり食べてるみかんです(ㆁᴗㆁ✿)
某有名Youtuberさんのカルピスとヨーグルトを混ぜた自作アイスを観て、2袋(1L)作ったので今週末は食べ放題です。
最近は塗装したり、ハンダ付けしたり、デザインしたりとPCをコツコツmoddingしてるんですが、今回はなんと!またまたグリス検証回です笑
MOD PCや本格水冷ビルドの記事を見たいってご意見もいただいてますが、もう少々お待ちいただけたらと思うます。きっと書きますから!
そして気づけば6月から月次でグリス記事を書いてました。
ただ、おそらく今後はしばらく無いと思うので、たっぷりと比較対象のグリスも用意して検証したのでお時間のある方は読んでいって下さい。
OC Master SMZ-02Sの概要
2019年9月4日に発売された親和産業さんと著名オーバークロッカー 清水貴裕さんとのコラボレーションモデル第2弾になります。
特徴は高い熱伝導率と劣化しにくい高耐久性という点。
シリコングリスはCPUの熱やケースファンなどの風により、乾燥しやすい環境下で使用するので、2年~3年も経つと油分が揮発してカサカサな状態(ドライアウト)になりがちです。
油分自体の熱伝導率はとても低いので揮発しても性能にほとんど影響ないはずで、ヒートスプレッダとクーラーにしっかり密着した状態を維持できていれば乾燥しても冷却性能は変わらないという検証結果もあるようです。
ただし、乾燥した状態で振動や再加熱をするとヒビ割れや剥がれ(浮き)が起きやすく、そうなると熱伝導率は下がってしまうので、やはりカサカサになったまま使用するのは良くありません。
このSMZ-02Sは若干固め(高粘度)になっていて乾燥に強いタイプのようです。
また、熱伝導率が11.7W/m・kと高パフォーマンスでありながら、お値段は第1弾のSMZ-01Rより少し安く、増税前の今なら1000円札でおつりがきます。
OC Master SMZ-02S |
OC Master SMZ-01R |
Thermal grizzly Kryonaut |
ARCTIC MX-4 |
Thermalright TFX |
|
---|---|---|---|---|---|
熱伝導率 | 11.7W/m・k | 13.2W/m・k | 12.5W/m・k | 8.5W/m・k | 14.3W/m・k |
容量 | 2g | 2g | 1g/5.55g/ 11.1g/37g |
4g/20g | 2g/6.2g |
税込価格(※) | ¥980 | ¥1058 | ¥711/¥2,699/ ¥3,939/¥8,769 |
¥1,099/¥3,580 | ¥1,814/¥4,105 |
粘度 | 125~165pa・s | 90~100pa・s | 120~170pa・s | 870P (=87pa・s) |
非公開 |
※2019年9月8日時点のAmazon価格
中身は本体とOC部シミオシステッカーが付属していて、第1弾と同じになります。
伸ばす用のヘラは付属してないため、他のグリスに付属してきたものを使いまわすか、不要になったポイントカードなどを適当にカットして使用するのも良いかも。
また、固めといってもクマグリスことKryonautと粘度はほぼ同じなので、多めに塗ってクーラーの圧着で伸ばすというのもアリだと思います。
本体は非常にシンプルな容器だけど、透明なので残量がわかって便利です。
あとで何のグリスだったか忘れないようパッケージにしまうか、マジックで書いておくと良さそう。
ちなみに2gあるので多めに塗っても4~5回分はありますし、頻繁に塗り替える必要のないタイプなので、長期保存になる場合、市販のジップバッグ等に入れるのが良いみたい。(親和産業さんのHPより)
色はSMZ-01Rより少し薄めのグレーです。
塗り心地
第1弾のSMZ-01Rは非常に柔らかく、抜群に塗りやすかったので、それと比較すると確かに少し固いと感じてしまうけど、クマグリスで塗り慣れてるユーザなら固さは変わらないと思います。
中央に盛って、放射状に塗り広げるのは難しいので、写真のように塗ると固めのグリスでも比較的簡単に伸ばすことができるのでオススメ。
①端一直線に盛る(固めのグリスはやや多めに)
②ヘラやカードを斜めに当てて反対の端まで広げる。
(๑•̀ㅂ•́)و
冷却性能をチェック
熱伝導率の公称値はSMZ-01Rより-1.5W/m・k低いものの、10W/m・k超えなのでかなりハイパフォーマンスな部類です。実際の冷却力がどれほどなのか検証してみました!
検証マシン
SMZ-01Rの検証でも使用した本格水冷のテスト機を今回も用意しました。
OS | Windows10 May 2019 Update(Ver 1903) | |
---|---|---|
マザーボード | GIGABYTE Z370 AORUS Gaming 7 | |
CPU | Intel Core i7 8700K(殻割 + 銀王) | |
CPUグリス | SMZ-02S/SMZ-01R/MX-4/Kryonaut/TFX | |
GPU | NVIDIA TITAN X Pascal | |
ラジエータ | 360mm x 12mm x 60mm | |
ラジエータファン | 12cm x3(1200rpm固定) | |
メモリ | T-FORCE XCALIBUR RGB DDR4-4000 8GBx2 | |
ストレージ | SANDISK Ultra 3D SSD 250GB | |
電源ユニット | Seasonic FOCUS Plus Platinum 850W | |
ケース | STREACOM BC1 Open Benchtable |
水冷のループはCPUを優先的に冷却できるようポンプ→CPU水枕→GPU水枕→ラジエータ→リザーバとしています。
OC設定
冷却性能を詳細にチェックするため、非OC/OCで検証してみました。
OC時の設定は以下のとおりです。
※Vcoreを1.47Vも入れてるので長時間での常用は非推奨です。
CPU | 5.2GHz |
---|---|
Uncore | 4.7GHz |
Vcore | 1.470V |
LLC | Extreme |
なおビデオカードは分解して水枕を取外さないと塗り直せないため、今回はCPUのみを対象とし、GPUはOCせず、温度計測もしていません。
レギュレーション
・室温24.8℃
・温度計測:HWMonitor 1.40.0読み
ベンチマークタイトル
・CINEBENCH R15
・CINEBENCH R20
・Geekbench 4
・ファイナルファンタジーXIV 漆黒のヴィランズ(FHD 最高品質)
・3DMark FireStrike 無印
・3DMark TimeSpy 無印
ベンチマークを走らせた一例(SMZ-02S塗布でのOC時)
検証結果
SMZ-01R比:0~1℃高い
Kryonaut比:0~1℃低い
MX-4比:1~3℃低い
TFX比:0~2℃高い
非OCでは本格水冷によって十分に低い温度を保てており、正直言ってどのグリスでも大差ありませんでした。
強いて言えば、この中で唯一熱伝導率10W/m・kを下回るMX-4だけが頭一つ出る(温度が高い)格好となっています。
SMZ-01R比:1~2℃高い
Kryonaut比:0~1℃高い
MX-4比:1~6℃低い
TFX比:1~3℃高い
OC時では5.2GHzの1.47Vというかなり攻めた設定にしていることもあって、多コアを活かせるCPU負荷の高いベンチマークでは80℃オーバーを記録。
そして温度はそこまで大きな差は出ていないものの熱伝導率に従った傾向が表れており、低い順に
TFX<SMZ-01R<Kryonaut<SMZ-02S<MX-4
となりました。
いかがでしたでしょうか。時間の都合でOCCTのような長い負荷テストはできませんでしたが、今回のベンチマークのうち最も負荷の高いCBR20を見る限り、SMZ-02Sも他の10W/m・k超級グリス達に引けをとらない冷却性能なのがわかりました。
またハイパフォーマンス系の中ではお求めやすい価格なので「グリスの塗り替えはしたくない or 出来ないけど高い冷却性能は欲しい」という方にオススメできる商品だと思います。発売したばかりなため正直耐久性については未知数ですが、塗り心地からもKryonautと同様に粘度は高め(シャバシャバ系ではない)なので確かに乾燥には強そうという印象は受けました。
ただ、年1くらいでメンテはするよ!ってユーザなら、やはり塗りやすさと高い冷却性能が両立されたSMZ-01Rが良いと思いますし、値段や塗りやすさは度外視でとにかく一番冷えるヤツが欲しいならTFX、性能はほどほどでいいから塗りやすくてとにかく容量単価安いので!ってことならMX-4になると思います。
つまるところ、ご自分のニーズに合ったグリスを選んでね!って結論にはなってしまいますが、この記事がその参考としてお役に立てば嬉しい限りです(ㆁᴗㆁ✿)
OC Masterグリス第1弾「SMZ-01R」のレビューもしてるので良ければ合わせてチェックしてみてくださいネ!www.mikantabenagara.com
それでは最後まで読んでくださってどうもありがとう(ˊᗜˋ*)
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