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自作PC 本格水冷ガイド ExtraⅣ 便利なコンプレッションフィッティング

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本格水冷をより多くの人に楽しんでもらえたらと思い、できるだけ詳細に、且つ後から部分的な確認を検索できる記事として、本格水冷ガイドシリーズを連載してきました。
しかし記事を読んで前知識をつけても実際にビルドしてみると、特にハードチューブでは想定していない問題にぶつかる場面も多いものです。そのうちの一つが配管の連結ではないかなと思います。
複雑だったり狭いエリアでの配管ほどその難易度はグッとあがりますが、実はここ数年でそれを軽減してくれる便利なコンプレッションフィッティングが発売されているため今回ご紹介したいと思います!
なお、コンプレッションフィッティング以外に、記事内で登場するフィッティングの用語ついてよくわからない方は以前の記事で紹介しているため、そちらも合わせて参照いただければと思います。
👉自作PC 初めての本格水冷ガイド③ パーツ選びのポイント - フィッティング

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ハードチューブ用コンプレッションフィッティングの特徴

一般的なハードチューブ用のコンプレッションフィッティングは下図のようなパーツで構成されています。
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PVCチューブ用のコンプレッションフィッティングと違い、内部O-リングがチューブにピッタリと適合することでクーラントのリークを防いでいます。
一番上部の内部O-リング(ここではエンドリングと呼ぶ)はキャップの締め込みによって内側方向に圧力をかけシーリング力を強めている製品もあります。
それでもリングがチューブに接触している表面積はそれほど広くないため、強く引っ張れば抜けてしまいます。
そのため多くのコンプレッションフィッティングは内部O-リングが2重以上になっています。
図の左、2重のタイプが昔からあるBitspowerやEK、alphacool、Monsoonなどが出している製品です。
右の3重タイプはBARROW/BARROWCHなどが出しています。
当たり前ですが、内部O-リングが多いとシーリング力は強まる一方、チューブを挿入する際に力も必要になります。
簡単に入ってしまう場合、製造時の油分などがO-リングに付着している可能性があるため、脱脂(無水エタノールで拭き取ったり中性洗剤で洗浄)しましょう。
それでもLANパーティへの持ち込みなど搬送中の強い衝撃では抜けてしまう場合があります。
また、ビルドするときは受け皿側を水枕やラジエータなど装置側に固定してからチューブを連結するため、手の届きにくい場所や角度によっては力を入れづらく、奥まで差し込めていないといった原因で抜けやすくなっている場合もあります。
なかでも大変なのは次に紹介する短いチューブの連結時です。

短いチューブの連結は難易度が高い

ハードチューブはフィッティングの受け皿の内側奥まで差し込む必要があり、見かけより両端5~7mm程度長いチューブを連結することになります。そして、ビルド時は受け皿側を先に固定しているため下図のような状況が発生します。
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チューブの材質がPETGで、且つある程度の長さがあれば「撓り(しなり)」を利用してどうにか入れることはできますが、短い場合は撓らせることができません。
無理をすればG1/4ネジ部分に負荷がかかり、アクリル材質の水枕はネジ穴部分にヒビが入ってしまうかもしれません。
解決方法としては、片側を先に入れて反対側のフィッティングを回転させるように中へ押し込みます。
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ただし、この方法が使えるのはロータリー付きアングルを使用している場合に限るので、アングルを購入するときは少し値段は上がるもののロータリー付きを選ぶと良いと思います。
また、チューブ先端をリーマーと紙やすり等を使って、滑らかな内細りの形状にしておくと内部O-リングとの引っかかりを軽減してくれます。
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それでも相当な力が必要になるため、諦めて少し短く切ってしまうという人もいるかもしれません。
そうして連結したはよいものの本来の長さより足りないことでクーラントがリークしたり、抜けてしまうトラブルにつながります。
なお、真鍮素材のハードチューブでは厚みが薄く切断面が鋭利になりやすいため、無理をすると内部-Oリングがちぎれてしまうこともあります。
極端に短い場合はロータリー付きエクステンダーなどと組み合わせて、フィッティングだけで連結することも検討してください。
また、BARROW「Dual G1/4" Adjustable Aqua Link Pipe」などの伸縮タイプもあるので活用してみると良いでしょう。
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とはいえ、見栄えの都合やエクステンダーの追加コストもかかるため、そもそももっと簡単に連結できて、リークしにくい便利なコンプレッションフィッティングはないのか?と思う方も多いでしょう。

前置きが長くなりましたがようやく本題です。
これから紹介するフィッティングは例に挙げた難易度を下げつつ、シーリング力が高い素晴らしい製品になります。

Thermaltake Pacific C-Pro

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このフィッティングはG1/4アダプター、中間受け皿、エンドリング、キャップの4パーツに分かれています。(6個パックは締め込み用の工具付き)f:id:mikantabenagara:20200620020421j:plain

中間受け皿の内部O-リングとエンドリングを合わせると3重になります。
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このフィッティングが素晴らしいのは、一番力のいる3重O-リングを通すところまでチューブに装着した状態で組込みできるところです。
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しかも中間受け皿とG1/4アダプターの連結部はフラットになっているため、組込み時の物理的干渉がなく無理な力を入れる必要がありません。
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そしてカラーバリエーションもレッド、ブルー、ホワイト、グリーン、クロム、ブラック、ゴールド、ローズゴールドの8色あるため、好きなカラーコーディネートができるのも魅力です。
デメリットとしては、外径(OD)16mmのハードチューブ用モデルしか販売されておらず、細めのハードチューブに利用できないところですね。
OD14mmや12mmの追加を期待したいところです。
また、直径26mm、高さ21mmと一般的なOD16mmフィッティングより若干大きめなので水枕やDDCポンプなどに横並びで取り付けたい場合、物理干渉しないかチェックすると良いでしょう。
以前はものすごく高価というのもデメリットでしたが、昨年値下げされ6個パックが税込6,578円(※)とそこそこお求めやすくなっています。
※2020年6月20日時点 オリオスペック価格

www.ask-corp.jp

Bykski Anti-off Hard Tube Fitting

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圧倒的コスパで本格水冷の敷居いを下げてくれた中国のBykskiのフィッティング。

受け皿、樽型のシーリング、キャップの3パーツに分かれてます。
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このフィッティングも樽型シーリングをチューブに装着した状態で組込みできます。
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最大のウリは見てわかるとおりシーリング面積の圧倒的な広さです。
このシーリングがキャップで締め込まれることで最大15kgの力で引っ張っても抜けないと公式で謳っています。

受け皿がG1/4アダプターと一体のため内側にシーリングを入れるように組込むことになりますが、樽型で端がすぼんでおり、力は必要ありません。

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注意点としてはハードチューブがシーリングの端まで到達していないとシーリングと受け皿の締め込み圧がかからず、クーラントがリークします。f:id:mikantabenagara:20200620033613j:plain

チューブがはみ出すぶんには、キャップを締め込んだときにシーリングが先端まで自動的に押し込まれるため、写真のように少しはみ出すくらいで組込むのが良いでしょう。
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カラーバリエーションはブラック、レッド、ブルー、ゴールド、ホワイト、シルバー、グレーの7色あるため、好きなカラーコーディネートができるのも魅力です。
さらに、OD12mm、14mm、16mmとメジャーどころの口径がラインナップされてます。
OD12mm、14mmが税込418円(※)、OD16mmが税込462円(※)とかなり安いのもポイントです。
※2020年6月20日時点 オリオスペック価格

デメリットとしてはシーリング面積が広いぶん、外側からシーリングの色が見えてしまいます。残念ながらシーリングの色はブルーのみで選択肢がありません。
透明のクーラントだと角度によっては見えてしまいます。
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コストが上がってしまうため、シーリングのカラバリは期待できないと思いますが、せめて無難な黒、グレーを採用してくれると嬉しいです。

www.bykski.com

BARROW Choice Multicolor Compression Fitting(TFYKN2)

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中国のBARROWもBykski Anti-offと同じ樽型シーリングのフィッティングを出しています。
このChoiceシリーズは型番にTFYKNとTFYKN2があり、前者は内部O-リング2つ、エンドリング1つの3重タイプなので購入時に気を付けて下さい。
TFYKN2はAnti-offよりキャップ部分のデザインが少しシンプルになっています。
カラーバリエーションはブラック、シルバー、ホワイトの3種、サイズはOD14mm、16mmのラインナップです。
価格はAnti-offより少し高いため、それならBykskiで良いのでは?と思うかもしれませんが、OD16mmの樽型シーリングがブラックなので、Anti-offで紹介したデメリットが気になる人はこちらをオススメします。
なお、OD14mmのシーリングはブルーです。
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国内ではオリオスペックでOD14mmが販売されており、税込528円(※)です。
※2020年6月20日時点
OD16mmが欲しい場合、AliExpressのBARROW Officail Storeなどから購入できます。

www.barrowint.com

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水冷パーツの老舗、台湾のBitspowerもBykski Anti-offの類似品を今年になって発売しました。

受け皿、樽型シーリング、インナーリング、キャップの4パーツに分かれてます。
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Bykski Anti-offと比べて背の低い樽型シーリングを採用しています。
また、シーリングの締め込み用にインナーリングがついています。

使い方もほぼ同様で、キャップ、インナーリング、樽型シーリングをチューブに装着した状態で組込みできます。
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受け皿がG1/4アダプターと一体のため内側にシーリングを入れるように組込むことになりますが、樽型で端がすぼんでおり、力は必要ありません。
(Anti-offと比べると少しきつめ)
使用上の注意点などもAnti-offと同じになります。

カラーバリエーションはブラック、シルバー、デラックスホワイト、ブラックスパークル(ガンメタ)、トゥルーブラス(ゴールド)の5色で、サイズはOD12mm、14mm、16mmとメジャーどころの口径ががラインナップされています。
OD16mmのAdvanced Multi LinkとAnti-offのサイズを比較するとやや小ぶりです。
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価格はOD12mmが税込1,045円(※)、OD14mmが税込1,144円(※)、OD16mmが税込1,298円(※)
※2020年6月20日時点 オリオスペック価格
なお、シーリングカラーが口径によって異なりOD12mmはブラウン
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OD14mmがブルー
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OD16mmがブラック
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デメリットとしては類似のBykskiやBARROWの製品よりもお値段が高い点です。
特に見た目はBARROWとほぼ一緒ですが、Bitspowerで統一したい方にオススメです。

shop.bitspower.com

 

いかがでしたでしょうか。
樽型シーリングのフィッティングはAliExpressで探してみると他にもあるので、今後定番になるのではないかと個人的には思います。
(経験上、品質的に問題の少なかったメーカーのだけ今回はご紹介しています)
今後も実際に使ってみて良かった水冷パーツをご紹介できたらなと考えています。
この記事が本格水冷erの方に少しでも役に立ったら幸いです。

 

シリーズ記事

・自作PC 初めての本格水冷ガイド① 仕組みとパーツの役割

・自作PC 初めての本格水冷ガイド② 導入前の確認ポイント

・自作PC 初めての本格水冷ガイド③ パーツ選びのポイント

・自作PC 初めての本格水冷ガイド④ PVCチューブループの作業手順

・自作PC 初めての本格水冷ガイド⑤ 必要なメンテナンス

・自作PC 本格水冷ガイド Extra ハードチューブループの作業手順

・自作PC 本格水冷ガイド ExtraⅡ なぜ冷えない!?

・自作PC 本格水冷ガイド ExtraⅢ ラジエータファン Push? or Pull?

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